根津・古本&植物カフェ「弥生坂 緑の本棚」にてリトルプレス『微花』取り扱い始めました

2019/09/17
微花

根津・古本&植物カフェ「弥生坂 緑の本棚」にて、

リトルプレス『微花』(kasuka)(石躍凌摩・西田有輝・著)取り扱い始めました。

『微花』は植物図鑑、と言っても少し風味が違うもの。

取り扱いに際して、少し書きました。


『微花』取り扱いに際して。

植物図鑑・写真集という表現では、このZINEの本当の姿を伝えきれていないと思います。

最近刊行されたハードカバーの『微花』もありますが、
今回は、ソフトカバーのリトルプレスを扱わせていただくことにしました。
何故か、こちらの方に惹かれたからです。

作者の石躍凌摩さんにお話を聞いてみました。

以前は全く植物に興味・関心がなかった」と言います。

そんな人が、植物図鑑とも呼べるZINEを創るに至るには、
よほど、劇的な「何か」があったはずです。

常日頃、「植物に興味をもってもらうには「何を」したら良いのだろう。」と、
考えている自分自身にとって、

その劇的な「何か」「何を」の答えに近づくための大きな要素を含んでいるような気がしました。

その「何か」は突然訪れたようでした。

15年もの間、日常歩いていた道路。
当時、気持ちも下降気味だったという石躍さんは、
突然路上で、街路樹の花の鮮明な赤色が目に飛び込んできたといいます。
毎年咲いていたであろうその花の存在を初めて意識した瞬間だったと思います。
そして、それがハナミズキであり、いつも歩いている道がその並木道であったことを知ったとき、
今まで全く意識すらしていなかった自分に愕然としたといいます。

ここが、植物への扉が開かれた場面であったのですね。

そこから、身近な植物たちにも目が向くようになり、日々芽を出したり、
伸びようとする植物たちに愛着が湧くようになったのではないかと思います。

そうすると、名前を知りたくなって来ますよね。
ただ、植物図鑑はやはり植物に興味のある人たちのためのものという感じが強く、
全く植物を知らなかったりする人が、植物を識ろうと思うときに手にするものが無かったということで、
「創ろう」ということになったようです。

お話をしていて、一番気付かされたことは、

植物に対する興味・好きであるということの質感が、
元来の植物好きとは大きく異なるということです。

うまく言えないのですが、「興味は持った、好きでもある」でも「傾倒」はせず、
もっと、フラットに自然に眺める感じで植物と関わっても良いのでは?
というイメージでしょうか。

確かに植物は、植物好きのためだけのものではなく、ましてや人間のためだけのものでもないし、
必ず必要な存在だけれども、そのかかわりあい方は、様々であって良いはずです。

石躍さんとお話していて、

植物が好きになる前の自分はどんな自分だったのか」と思い返していました。

『微花』をご覧いただくにあたって、もし植物が大好きな方でしたら、
一度、植物が好きになる前、あるいは好きになったときの自分を思い起こして、
ご覧になってみてください。
新しい、植物の扉を開かせてくれるかもしれません。

これから植物をもっと知って好きになりたい方は、そのままの気持ちでご覧いただければ良いと思います。


是非、店頭にてお手に取ってみてください。